2002年
この年は、私にしては珍しい海外出張が5月末にあり、準備などで5月に充分な足慣らしが出来ませんでした。6月は仕事の関係で全く出かけられませんので、7月に妻と一緒に大雪山に行ったのですが、ロープウェイで行ける場所だけでは登山とは言えませんね。
南ア・北岳 (2002年8月4日〜8月6日)
この年は諸般の事情で本格的な登山が出来なかったので、体力維持を兼ねて北岳に登ることにしました。いつもは早起きして電車を乗り継いで行くのですが、歳をとっておっくうになり横浜駅から直通の「特急はまかいじ1号」に乗りました。この電車だと甲府駅で山梨交通バスとの接続時間が僅か4分しかないので必死に走ったのですが、シーズン中の多数の登山客を捌く為にバスが3台も出るので甲府駅の出発は10分位遅れました。今までの早起き出発だと広河原には11時頃に着くのですが、今日は12時過ぎなので広河原山荘泊まりです。
持参したシュラフに寝たのですが、暑すぎてシュラフの中には居られないほどでした。しかも泊まった階には女子トイレもあり、上の階に泊まった中年女性達がひっきりなしにトイレに降りて来ます。その度に遠慮せずに大きな音を立てて扉を開けたり、足音を立てて歩き廻ったりします。ひどいのは深夜に大声でしゃべくるのもいて煩くて良く眠れませんでした。
翌朝は、一番に朝食を済ませ、北岳に向かいました。朝方あった雲も暫くすると無くなり、真夏の日差しが照りつけました。御池小屋から草すべりに入ると暑さのせいで大幅にペースが落ち、休んでは水ばかり飲みましたが、小太郎尾根までの所要時間は前回と余り変わりませんでした。北岳肩の小屋に到着した時は、かなりへばっていました。酷暑のせいもありますが、歳をとったのかと思うと悲しくなりました。北岳山荘に行くのは止して、20年ぶりに肩の小屋に泊まることにしました。日差しは強いのですが流石に3000mもあるので、涼しい風が吹いて来ます。肩の小屋は通過が多かったので気が付かなかったのですが、小屋の周辺にはチシマギキョウとイワギキョウが混生しています。
シュラフ持参ということで避難小屋の方に泊まりましたが、素泊まり料金が残っているのも嬉しいです。尤もシュラフ持参は私一人だけでした。
混雑時期の為、遅くなって到着した登山客は母屋の蒲団部屋に入れず、小屋に備付のシュラフで寝ることになった人達で避難小屋も一杯になりました。
明け方になると冷え込んで来たのでセーターを着込みました。昨晩とは大違いです。
4時に起きて御来光を拝みました。昨日は早く着いているので、一番に朝食が食べられる筈が後回しにされて一番最後の朝食となり、小屋の出発が遅れました。昨日はあれだけ疲れていたのですが、一晩休むと体力も回復しました。北岳に登り、東南斜面側に下りました。意外とキタダケキンポウゲが目に付きました。ムカゴユキノシタは結構咲いているのですがタカネマンテマはようやく2株見つけただけでした。北岳周辺はシロバナのタカネビランジが多いのですが、今までは撮影し易い場所では見かけることはありませんでした。今回ようやく八本歯コル近くで足元に咲いているのを見つけました。今日も日差しが強く、暑くなりました。調子が良かったのもここまでで、大樺沢上部から途端にペースが落ち始めました。この年は暑いせいか大樺沢の雪渓も少ないです。二俣からは更にペースが落ちました。所謂、膝が笑う現象まで起き最悪の状態です。時間をかけてゆっくり下りましたが、暑くて水ばかり飲みました。
今回は暑かったせいもありますが、日頃のトレーニング不足が祟って散々な登山となりました。直通電車に乗らず、前日頑張って御池小屋まで登っておけば良かったのかもしれません。
大雪山 (2002年7月4日〜7月6日)
大雪山には20年もごぶさたしています。トムラウシの方まで行くとなると日程も長くなりますし、無人の小屋ばかりなので荷物も多くなります。躊躇しているうちに年が過ぎてしまいました。今回は大雪山といっても妻と一緒なので、ロープウェイの周辺のみの登山なので、とても大雪山に登ったとは言えそうにありませんが.......。
何時の頃から旭岳温泉というつまらない地名になったのでしょうか。20年前の勇駒別の方が北海道らしくてずっと良い名前だと思います。
宿に着くなり、早速ロープウェイで姿見に上がりました。姿見は既に森林限界を超えているので高山の雰囲気です。天気が良くないので旭岳は殆ど見えないのですが、姿見付近はエゾノツガザクラとチングルマが沢山咲いています。この年は平地の桜も2週間は早く咲くなど花暦は早く進んでいるのですが、大雪山では雪渓もまだまだ充分に残っており、花の季節には少し早い感じです。姿見ノ池や夫婦池の周りを散策して宿に戻りました。
翌日は宿の朝食も食べずに、朝一番のロープウェイで姿見へ。旭岳に登る人達が大勢乗り込んで来ました。私達は朝食代わりのおにぎりを食べてから裾合平方面に歩き出しました。早朝なので雲が少なく旭岳が良く見えました。30分程歩いたところで妻が飽きだしたので姿見に戻りました。白花のエゾノツガザクラを見つけたのが最大の収穫です。当麻岳〜比布岳〜北鎮岳経由は無理でも、せめて裾合平から中岳温泉〜中岳〜黒岳経由で層雲峡に行きたいところですが、バスを旭川で乗り継いで層雲峡に行きました。
台風の影響で明日は更に天気が悪くなりそうなので、宿に荷物を預けてロープウェイとリフトを乗り継いで黒岳7合目に行きました。登山届を書いて登り始めたのですが、15分程登っただけで妻がめげてしまい宿に帰りました。
翌朝は激しい雨です。雨があがった間に流星・銀河の滝まで行ったりしたのですが、妻が再び黒岳に登ると言い出したので、黒岳7合目へ行きました。昨日のことがあったので半信半疑でついて行くと、8合目を過ぎてシナノキンバイやミヤマカラマツなどの高山植物が現れ出したらヤル気が出たらしく、ついに黒岳山頂まで登ってしまいました。曇っていたので旭岳は全体が雲に隠れていましたが、白雲岳,北海岳,北鎮岳,凌雲岳などは山頂に雲を被っていながらもなんとか見えました。黒岳石室に下る道を暫く歩いた所でコマクサを見つけましたが、花期には少し早くまだ蕾でした。
イワウメなどは見頃でした。ひと休みしてから再び黒岳山頂に戻り、写真を撮りながら7合目まで下りました。
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